本学法学部講義科目「21世紀日本の議会と行政」では、大阪府副知事・大阪府社会福祉協議会会長などの要職を歴任した梶本徳彦客員教授による特別講義「第一線公務員の役割」を行いました。この特別講義は、5月15日(水)に本学八尾駅前キャンパス[オーバル]のプレゼンテーション教室にて行われました。
梶本客員教授は、まず写真を使って東日本大震災の惨状と、この非常事態において公務員が担った被災者支援やライフライン・行政機能の回復などの活動を取り上げました。時に「お役所仕事」と揶揄される事もある公務員が、大災害において担った役割などに触れつつ、多種多彩な業務を現場で担う"第一線公務員"の重要性を示し、通常時においても、彼らがいなければどんな政策も事業として実現されないことを強調しました。
さらに、労働基準監督官や外勤警察官、税務調査の現場などでの実例を挙げ、裁量権の問題など第一線公務員が抱える悩みについても言及しました。最後には日本の公務員組織と運営の特徴、求められる能力、政策の形成や実施・評価などの過程における公務員の役割について説明しました。
本科目は、将来公務員を志望している学生も多数受講しており、現場における様々な問題など豊富な行政経験を踏まえて行われた今回の講演に惹きつけられている彼らの姿は印象的でした。
次回は近代官僚制の理論、日本における官僚制の歴史から公務員の役割と機能について、引き続き梶本客員教授が講義を担当する予定です。関心のある本学学生は是非聴講してください。